薄毛治療最前線
従来の薄毛治療の概要と問題点
大手かつらメーカーの調査によれば、2013年で日本国内で薄毛に悩む人は推定で約1,300万人、さらに大手毛髪クリニックのアンケート調査によれば、薄毛や脱毛が少しでも気になる人の人数は、約3,960万人というデータが発表されています。このように、程度の差こそあれ、薄毛で悩む人は多く、現在国内で利用できる薄毛の治療方法としては、育毛剤のほか、専門の医療機関等での治療薬や注射、植毛手術などが一般的となっています。
様々な薄毛治療の手段が多くの人に浸透するにつれて、近年では副作用のリスクが問題視されてきています。例えば、市販の育毛剤を使用して、頭皮に痒みが生じたり、ミノキシジル等の治療薬を服用することによって、血圧が急激に下がったり、体毛が全体的に濃くなったりといった副作用もゼロではありません。ミノキシジル配合の育毛剤(正式には発毛剤)リアップX5を発売している大正製薬が発表する副作用の発現率は8.7%と言われていますし、ネット上での検索でも、リアップを使って、肌の症状が悪化し、病院に通院することになった興味深い体験記などが投稿されています。
また、男性用の薄毛治療薬として有名なフィナステリドを使用したことにより、性欲が減退した、頭以外の毛髪が逆に増えた、さらに長期的な影響として胎児の健康問題の可能性も指摘されています。したがって、以上のような副作用のリスクをできるだけなくすために、新しい薄毛治療法が日夜研究されています。以下に、2016年に入ってから新たに発表された薄毛治療法に関する情報をご紹介していきましょう。
2016年に発表された新しい薄毛治療法とは
2016年に入ってから公表された新たな薄毛治療法について、ご紹介していきます。それぞれの治療法について、副作用が発生するリスク、期待できる薄毛改善率、総合的な評価の3点について、5段階評価(最高評価の場合には★5つ)をおこなっていますので、各リンク先の詳細情報と合わせてご覧ください。
- (方法1)iPS細胞による薄毛治療法
- ▼概要
- (方法2)コラーゲンによる薄毛治療法
- ▼概要
- (方法3)毛包生成による薄毛治療法
- ▼概要
- (方法4)烏龍茶を使った薄毛治療法
- ▼概要
| 副作用リスク | ★★★★★ |
| 薄毛改善率 | ★★★★★ |
| 総合評価 | ★★★★★ |
京都大学の山中伸弥教授により世界で初めて作成されたiPS細胞を使って、毛髪を生み出す器官である「毛包(もうほう)」を無限に再現し、頭皮に移植する薄毛治療法です。国立研究開発法人理化学研究所等の研究グループにて、薄毛治療につながる具体的な技術開発に成功した旨が公表されました。もともと毛包がない人にも適用できる治療法としても注目されています。移植手術自体は、従来の植毛と異なり、比較的医師のスキルの巧拙に依存しないため、ヒトへの実用化が実現できれば、その薄毛改善効果はかなり期待できるものだといえるでしょう。
| 副作用リスク | ★★★★ |
| 薄毛改善率 | ★★★★ |
| 総合評価 | ★★★ |
東京医科大学の西村栄美教授の研究グループより発表された「17型コラーゲン」による薄毛治療法です。老化によって「17型コラーゲン」が減少することで、薄毛になるメカニズムが証明された結果、現在は5年から10年後を目途として、「17型コラーゲン」を補う新薬の研究が進められています。現段階では、具体的な副作用リスクは判断しかねますが、「薬」であることから、何らかの副作用が生じる可能性は否めないでしょう。
| 副作用リスク | ★★★★★ |
| 薄毛改善率 | ★★★★ |
| 総合評価 | ★★★★ |
毛髪の基礎となる「毛包(もうほう)」を大量に培養することに成功した横浜国立大学や、京セラ株式会社等の共同3社によって発表された薄毛治療法です。実際に薄毛治療の対象者から毛包を採取して大量に培養し、ふたたび対象者に毛包を移植する方法であるため、拒絶反応のリスクは極めて低いといわれています。なお、もともと毛包がない人には適用できないため、前述のiPS細胞による治療法と比較すると、薄毛改善率は低めの評価となります。
| 副作用リスク | ★★★★★ |
| 薄毛改善率 | ★★ |
| 総合評価 | ★★★ |
毛髪クリニックの大手として知られる「リーブ21」より日本薬学会第136年会にて発表された烏龍茶エキスによる薄毛治療法です。烏龍茶には、薄毛の原因となる酵素「5α-リダクターゼ」を阻害する働きがあるため、今後烏龍茶エキスを用いた具体的な商品の開発が待たれます。もともと食品であるため副作用のリスクはほとんどないと推測されますが、薄毛改善率については、今後おこなわれるヒトを対象とした実験結果により判断すべきだと考え、低めの評価としております。
まとめ
上記のとおり、2016年には薄毛治療を希望する人にとって注目すべき新たな研究成果が目白押しであることが分かります。具体的な治療法として確立し、その効果を自身で確認できるには、少なくとも4年ほど待つ必要がありますが、副作用リスクが比較的低いものが多いため、ぜひ期待して心待ちにしたいものですね。
